「根の治療に何回も通っているけど治らない」 「半年前に根の治療をした歯がまた痛くなった」
このような患者様からのご質問が後を絶ちません。 このような結果になってしまうのはなぜでしょうか?
結論からお伝えすると、担当医の技術レベルに問題があることもありますが、多くは日本の保険制度の限界にあります。保険治療には様々な制約があり、その制約の中では、効果が実証されているが、保険では使用できない治療器具、薬剤、材料などが多数あります。
多くの方が根管治療後の予後が悪く、とても悩まれています。 そのため、当院では保険ではなく、自費での根管治療を行い、可能な限り早期に患者様の悩みを解決する体制を構築しています。
根管治療を成功させるには、「見える化(マイクロスコープ/CT)」「除菌(根管洗浄時の水の除菌)」の2つが大切なテーマとなります。それぞれご紹介します。
根管治療は歯の「根」の治療になります。 歯の根は複雑に湾曲し、細かく分岐していますので、根の先端まで確実に「肉眼で目視」しながらの治療は不可能です。つまり、手指の感覚やレントゲンを参考にしながら盲目状態での治療になります。そのため、どんなに治療技術が高い歯科医師でも、「肉眼」での歯の根の治療の成功率は50%以下といわれています。
しかし、マイクロスコープやCTを利用することで、これまで見えなかった部位がしっかり確認できるようになりますので治療の成功率は格段に高まります。それぞれの特徴をご紹介します。
マイクロスコープとは、歯科用顕微鏡ともいわれるもので、「肉眼」よりも数十倍、視野を拡大してくれる装置です。つまり肉眼では確認できない部分まで見ることができます。 下の画像は「肉眼」と「マイクロスコープ」の見え方の違いになります。肉眼と比べどのくらい視野が拡大できるかを確認できると思います。
多くの方が、原因が分からないまま、何年も根管治療をされています。正直な話、「肉眼」での治療を続けている限り、根本的な原因が分かりませんので、その苦しみから解放される可能性は低く、最終的には抜歯の可能性が高まります。可能な限り早い段階で、マイクロスコープにより根本的な原因を把握し、対策をすること。これが大切です。
一般的に行われている根管治療では二次元で撮影できる「デンタルレントゲン」というもので根管治療の診査診断を行います。しかし当院ではケースによっては三次元の撮影を可能にする「CT」を利用します。なぜ三次元のCTを利用するのか。それは二次元だけでは見えない部位が存在するためです。
下の画像をご覧ください。 この画像はデンタルレントゲンとCT画像の比較となります。 丸を付けた部分が問題の箇所ですが、デンタルレントゲンだと、この丸の部分に黒い色がついていませんので、問題個所を見落としてしまう可能性があります。
1.CTで見ると赤丸部分の根管にお薬が入っていないことがわかります。
ですので、治療後赤丸部分の根管にお薬を入れました。
2.赤丸部分の根管はデジタルレントゲンではお薬が入っているように見えますが、CTで見ると奥の根管にお薬が入っていないことがわかります。そのため、マイクロスコープを使って未治療の根管を探し出し治療後にお薬を入れました。
問題部位が発見できなければ当然治療を行うことはできません。 根管治療において「可視化できるか否か」。これは治療の成否を左右する大切なことです。
他院で治療を受けた方から、「根管治療を受けたはずなのに、また痛みが出てきてしまった…」といったご相談をお受けすることが多いですが、再発してしまうのはどうしてだと思いますか?
保険治療の限界もありますが、何よりも、治療中に唾液に含まれる「細菌」が治療部位に入ってしまうことが原因です。
本章では、当院が行っている再発のリスクから患者様を守るための「再発防止」体制をご紹介します。
口腔内の唾液や細菌による治療部位への感染を防ぐために当院ではラバーダム又はZOOという道具を利用します。どれも治療部位への感染を防ぐ道具で、お口の状態により使い分けます。
当院では、主にZOOを利用します。 これは患者様の表情を見やすくするため、そして唾液が漏れにくいというメリットがあるためです。
ZOOはバキューム(お口の中の水を吸うもの)にこれをつなぎ、口腔内細菌や唾液を吸い上げることで無菌状態を作り出し、感染の恐れのない状態で治療を可能にします。
根管治療を成功させるためには、細菌感染を防ぐことが必須となります。 そのため逆に言えば、「ラバーダム」や「ZOO」を使用しない根管治療は、細菌感染のリスクが高まり再治療の可能性が高まるとも言えます。
根管治療では、ヤスリのような器具で根管内の汚れを削っていきます。ヤスリでものを削ると細かい削りカスが出るのと同様に、根管治療でも歯質を削る際にカスが出ます。 このカスにはたくさんの菌が存在していますので、除去しなければなりませんが、手用の器具では、限界がありますので、治療後に再発させてしまう医院では除去をせずに、空けた穴に蓋をして根管治療を終えてしまいます。 一度治療して治ったと思っていた箇所が再発してしまう原因の1つです。
この問題を解決するのが「EDTA」や「次亜塩素酸ナトリウム」という薬剤です。 専門的な話になりますので詳細は割愛させていただきますが、簡単にご説明すると、この薬剤は、根管治療で生じた削りカスを溶かし、消毒することで根管内をクリーンな状態にし、病気の再発を防ぐものです。
当医院の治療水は、歯科ユニットウォーターライン除菌装置『ポセイドン』により常に清潔な状態に保たれています。
『ポセイドン』は、人と自然に優しい中性電解水を、歯科ユニットや医院全体に通水させることにより、医院の水配管内の細菌などの繁殖を抑え、治療環境を衛生的に保つためのシステムです。
・添加物を使わず、水道水のみを使用 (中性で身体に害がありません)
・水道水上の塩素濃度を調節して殺菌力のある水 (人には無害ですが菌が生きられない環境を作ります)
・感染を防止し、除菌も行う (細菌数は限りなくゼロに近い状態を作ります)
センサーが水の流れを感知、電解槽に通電します。
水中に含まれる塩素イオン(Cl-)が電解により 塩素(Cl2)に変化、Cl2はすぐに水と反応し、次亜塩素酸(HClO)や次亜塩素酸イオン(ClO-)(=残留塩素)に変化し残留塩素濃度を補正します。
残留塩素上昇により微生物の繁殖を抑制されます。
医療機関だからと言って特別な水を使用している訳ではなく、ほとんどの歯科医院では一般家庭で使用する「水道水」を用いています。実は、この水道水は細菌の温床となっている可能性があります。そのため当院では「ポセイドンシステム」にて院内で利用する水はすべて滅菌されたものを利用しています。また、根管洗浄する機器では「生理食塩水」を利用します。
症例は症例集をご参照ください。
料金体系は料金表をご参照ください。